鉄斎美術館

鉄斎―印癖を娯しむIV―
2008年12月号
清荒神清澄寺にある池苑の端に11月9日に史料館がオープンしました。寺の歴史や行事のパネル展示のほか史料館では記念の「荒川豊藏展」が12月14日まで開催され、志野茶碗などが公開されています。
鉄斎美術館では、生涯500余種の印を用い、自ら「余に印癖有り」と言った鉄斎の用いた印とその印影や印姿が作品と共に楽しめる展覧会「鉄斎―印癖を娯しむⅣ―」が開催されています。雲雀丘に住む画家でプリミティブな生命力を表現している森本紀久子さんと鉄斎のマニアぶりが如実に表れた印の数々、また作品とのこだわりを娯しみました。

画家 戸田 勝久さんと観る「鉄斎の粉本—画想の源泉・摸写Ⅲ—」
2008年10月号
池泉に亀島や蓬莱石組みが配された清荒神清澄寺の名庭。鯉の泳ぐ姿に涼を感じながら鉄斎美術館へ向います。同館では8月26日から後期の粉本展が開催され、鉄斎芸術を生み出した画想の源泉といえる摸写が、夥しい粉本・摸写の中から仏画、人物画を中心に展示されています。摸写でありながら鉄斎の世界が筆に表れている、と評される粉本。鉄斎、大雅、蕪村を愛し、洋画、日本画といった様式にこだわらず自身の世界を描く画家、戸田勝久さんと、画を摸す鉄斎の高揚した心や鉄斎の興味の対象を想像し、「鉄斎の粉本」展を楽しく鑑賞しました。

水墨画家潮見冲天さんと観る「鉄斎の粉本—画想の源泉・摸写Ⅲ—」
2008年09月号
夏、恒例となった鉄斎の粉本展が7月2日から鉄斎美術館で開催されています。粉本という言葉のルーツは中国にあり、画の原稿や下絵、また画の研究や修学のために摸写したものを指し、絵師の手控えとして欠くことのできないものでした。特定の師を持たなかった鉄斎は夥しい数の摸写を遺していますが、それらの粉本を基に鉄斎芸術が生み出されたともいえます。宝塚墨彩画壇の代表であり、南画の継承に力を注ぐ水墨画家、潮見冲天さんと南画の原点に立ち返る「鉄斎の粉本ー画想の源泉・摸写IIIー」を鑑賞しました。

宝塚文化財ガイドソサエティ代表 杉本和子さんと観る「鉄斎—多彩な画題・多様な画風Ⅲ—」
2008年07月号
新緑がまぶしい清荒神清澄寺。境内の大銀杏や楓の鮮やかな緑、鉄斎美術館前にある淡墨桜の若葉が目を楽しませてくれます。同館では6月29日まで「鉄斎ー多彩な画題・多様な画風IIIー」が開催され、万巻の書を読み、万里の路を行き、そこに画題を得た鉄斎の哲学を知る作品が年代順に展示されています。前宝塚市議会議員で現在宝塚文化財ガイドソサエティ代表を務める杉本和子さんと、多彩な画題を山水、人物、花鳥、仙境、仏画など多様に描きながら、画家とは一線を画した鉄斎の特異な芸術を鑑賞しました。

川柳作家中島弘風さんと観る「鉄斎—画面のひろがり—」
2008年05月号
弥生三月、暖かさに誘われて、清荒神清澄寺の境内では参拝後、寛ぐ人や鉄斎美術館を訪れる人の姿が多く見られるようになりました。同館では3月5日から「鉄斎—画面のひろがりー」と題する、屏風絵や大きな掛軸など大画面に描かれた大作ばかりを集めた展覧会が開催されています。大画面を通して鉄斎の画家としての力量を改めて知ることが出来ます。川柳作家で本誌の選者でもある中島弘風さんと迫力ある作品20点(前期)を堪能しました。

彫刻画家淺尾水香子さんと観る 鉄斎の器玩—悠悠談—
2008年03月号
例年より早く1月8日からの開館となった鉄斎美術館。清荒神清澄寺で初詣を済ませた参拝者が開館初日から多く訪れ賑わいを見せています。3月2日まで開催している展覧会「鉄斎の器玩-悠悠談-」は鉄斎が絵付したり書を書いた茶道具を中心とした陶器、木工品などいずれも名工との合作作品のほか、鉄斎の手造や妻・春子との合作が展示されています。宝塚在住で彫刻画家の淺尾水香子さんと新春の美術館を訪ね鉄斎の個性溢れる工芸品を鑑賞しました。

宝塚教養田宮緑子さんと観る 鉄斎—雅友に贈る名筆—
2007年12月号
秋は四季の中でも最も美しく、心癒される季節。
鉄斎美術館では芸術の秋が堪能できる展覧会「鉄斎—雅友に贈る名筆—」が12月14日まで開催されています。鉄斎は89年の生涯に多くの雅友を得、板倉槐堂から長尾雨山まで時の文人や学者に自作の書画を贈って交遊を愉しんだといわれ、想いのこもった名品を遺しています。昨年10月に宝塚で「宝塚教養学校」を開講し、文化向上のため一流の講師陣による講座を開いている校長の田宮緑子さんと鉄斎の名品を楽しみながら広範な交友関係を想像してみました。

画家 井上 正三さんと観る鉄斎の粉本(ふんぽん)-画想の源泉・模写II-
2007年10月号
真夏に美しく咲く紅白の百日紅が、清荒神清澄寺にお参りする人々の心を和ませてくれます。
鉄斎美術館では夏の恒例ともいえる「鉄斎の粉本―画想の源泉・摸写・―」が開催され、師を持たなかった鉄斎が画の構図や画技を学んだという多彩な分野・様式の摸写が展示されています。原画のパネルや本画が展示されている作品もあり、見比べると鉄斎の胸中を想像することができ興味がつきません。
宝塚や芦屋の風景を描いた絵はがきが評判を呼んでいる画家、井上正三さんと展覧会を訪ね、摸写を超えた鉄斎ならではの粉本を楽しみました。

書道家滝澤筍江さんと観る「鉄斎―書に託した精神こころ―」
2007年08月号
鉄斎美術館で開催されている書の展覧会「鉄斎―書に託した精神―」は7月10日から第3回展示となっています。文人画の巨匠として揺るぎない地位を築いた鉄斎ですが、画だけでなく書においてもすばらしい作品を数多く遺し、最晩年には栂尾山高山寺の碑や長谷寺の大額「慈眼視衆生」を揮毫しています。書幅、扁額に加えて書簡や拓本が展示されているこの展覧会を書家の滝澤筍江さんと鑑賞、鉄斎の自由な精神に触れました。

前伊丹市立美術館館長坂上義太郎さんと観る 「鉄斎―書に託した精神こころ―」
2007年07月号
木々の緑が目にも鮮やかな清荒神清澄寺。緑風に吹かれながら境内の奥に佇む鉄斎美術館へ。同館では5月16日から鉄斎の書の展覧会が開催されています。
文人画家としてのみならずその書の評価も高く、自身も「今弘法大師が居られたらワシと書道の話がよう合うじゃろうが・・・」と語ったと言います。
3月まで伊丹市立美術館館長を務め、本誌「アート見聞記」の執筆者でもある坂上義太郎さんと鉄斎のバラエティに富んだ奔放な書を堪能しました。