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星組 天華 えま

第104期初舞台生のお披露目となる星組宝塚大劇場公演は、落語噺を題材にした純愛冒険物語『ANOTHER WORLD』と、宝塚歌劇ならではの華やかでゴージャスなステージ『Killer Rouge』の2作品を、6月4日まで上演中。 天性の華やかな明るさが輝く天華えま、新人公演の最高学年で臨む3度目の新公主演では、お芝居全体をしっかり引っ張り楽しい舞台を届けたいと意気込みを語る。

「笑い」に挑戦。3度目の新人公演主演は落語噺・冥途・大阪弁

 落語噺が散りばめられたRAKUGO MUSICAL『ANOTHER WORLD』と、星組トップスター紅ゆずるの多彩な魅力と華麗でゴージャスな宝塚歌劇の世界を描いたタカラヅカ・ワンダーステージ『Killer Rouge』が6月4日まで、宝塚大劇場で華やかに上演中。この公演で第104期初舞台生40人がデビューし、5月15日には新人公演『ANOTHER WORLD』で第98期生の天華えまさんが主役・康次郎を演じる。

 康次郎は大坂の両替商の若旦那。お澄という女性に一目惚れして、恋患いの末、あの世へやってきた。お澄も同様、せめてあの世で結ばれたいと愛しい人を探し続ける二人だが、閻魔大王は康次郎だけに地獄行きの沙汰を下した―。『ANOTHER WORLD』はこの世とあの世を行き来して繰り広げる、抱腹絶倒の純愛冒険物語だ。主役の康次郎は全場面に登場して、息もつけないほどの活躍ぶりである。

 「新人公演の最高学年になったので、みんなを支えるような役をいただくのかなとか、宝塚歌劇の舞台で関西弁を喋ることは滅多にないから関西弁を使う役がやれればいいな、などと思っていたのですが、主役の康次郎をさせていただけることになり、ものすごくうれしいです」と、新人公演主演3度目の天華えまさん。研5で『桜華に舞え―SAMURAI The FINAL―』の桐野利秋、研6で『THE SCARLET PIMPERNEL』のパーシヴァル・ブレイクニーを演じてきた。

 「今回は宝塚歌劇でも珍しい落語の世界のお話だけに、難しさを感じていますが、お客様に気持ちよく楽しんでいただけるような間合いや、気楽にご覧いただいていても話の流れがちゃんとわかるようなお芝居ができるよう、しっかりお稽古して少しでも力をつけたいと思います」
 天華えまさんは、実は大のお笑い好きなのだ。寄席はもちろん、吉本新喜劇にも頻繁に出かけるほどである。「落語家やお笑い芸人さんの間の使い方、お客様の気持ちの動かし方などは、お芝居をする上でとても勉強になります」

 2017年7月、シアター・ドラマシティ公演『阿弖流為―ATERUI―』に飛良手役で出演した天華えまさんは、熱情が漲る華麗な立ち回りが印象的だった。「かなりの立ち回り担当でした(笑)。これまでいろんな武器を使ってきましたので、結構何でもできますよ」とのことだが、宝塚音楽学校に初挑戦で合格するまでは、バレリーナを目指して海外留学する予定だった。何をしても身のこなしが洗練されているわけだ。

 3度目となる新人公演主演に特別な意味を感じている天華えまさん。

 「1度目は大好きな日本物の新人公演で主役をさせていただけることがうれしくて、重い竹刀を使って100回の素振りを毎日、自分に課すなど、全力で臨みました。2度目の「『THE SCARLET PIMPERNEL』は紅ゆずるさん率いる新生星組披露公演であり、お客様がストーリーをよくご存知の名作の再演。それだけでもハードルが高いのに、パーシーは妻のマルグリットに本心を言わず、愛しているのに互いの心を探り合う夫婦の心理を理解するのに時間がかかりました。私自身は思いを伝えて解決したいタイプなので(笑)。そんな経験を経て、今回の康次郎役をいただき、最高にうれしいです。これまでの2度の新人公演主演経験を生かして取組み、楽しい舞台をお届けしたいと思います」

 天華えまさんが担うものは、もう一つある。「これまでは主役をさせていただいても、上級生が支えてくださっていました。新人公演の最高学年で臨む今回は、私自身が成長しつつ、お芝居全体をしっかり引っ張っていかなくてはいけません。天華えまの新しい挑戦を見守っていただければ嬉しいです」

 尊敬する先輩の舞台を観ていると、悩み事を忘れてしまう。そんな、お客様が元気になってくださるような舞台人になりたいと願う天華えまさんの笑顔は、初夏の日差しのように透明で眩しい。

天華 えまさん

2012年『華やかなりし日々』で初舞台。組回りを経て星組に配属。16年『桜華に舞え』で、新人公演初主演。17年『THE SCARLET PIMPERNEL』で新人公演主演。
出身/滋賀県  愛称・ぴーすけ、えりか、ペン

インタビュアー 名取千里(なとりちさと)
(株)ティーオーエー代表取締役、現代文化研究会事務局/主な編著書「タカラヅカ・フェニックス」(あさひ高速印刷)「タカラヅカという夢1914~2014」(青弓社)「タカラヅカ・ベルエポックI・II」(神戸新聞総合出版センター)/「仕事も結婚も」 (恒友出版)
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