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雪組 綾 凰華

2017年の掉尾を飾る雪組宝塚大劇場公演は、望海風斗と真彩希帆トップコンビの大劇場お披露目公演。フランス革命の中心人物ロベスピエールを描いた歴史ミュージカル『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』と、新生雪組の船出を祝福するレヴュー『SUPER VOYAGER!』の2作品を12月15日まで上演中。 星組より組替えになり、パワーのある男役を目指す綾凰華が、新人公演で初主演、革命家ロベスピエールに挑戦する。

フランス革命の雄、ロベスピエール役で新人公演に挑む

 雪組新トップコンビ望海風斗と真彩希帆のお披露目公演が11月10日、宝塚大劇場で幕を上げた。このミュージカル『ひかりふる路(みち)~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』とレヴュー・スペクタキュラー『SUPER VOYAGER!』のオリジナル2本立てが今年の宝塚大劇場の掉尾を飾る。11月28日には新人公演『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』が行われて、星組から組替えしてきたばかりの綾凰華さんがロベスピエール役で初主演に挑む。

 「新生雪組の門出の公演に参加させていただける幸せをかみしめています。研6になり新人公演の出演者を引っ張っていく責任を感じますが、初めて組む人たちばかりの中でどうやってコミュニケーションをとり芝居をつくり上げていけばいいのか、何もわからない状況の中でお稽古が始まりました。でも、みんな一生懸命に取り組んでくれて、いいチームワークが出来つつあります。私は初舞台後の組廻りで花組公演に出演したのですが、当時花組にいらした望海風斗さんのすばらしい歌声がお稽古場に響き渡っていたのを覚えています。今、トップスターになられた望海風斗さんのそばで歌を勉強させていただける、願ってもない機会を与えていただき、とてもうれしいです」

 ブロードウェイで活躍するフランク・ワイルドホーン氏が全楽曲を提供し、壮大なメロディで綴る歴史ミュージカルなのである。「プレッシャーを感じている時間はありません。少しの間も惜しんで練習しています」

 初舞台後、組廻りを経て星組に配属された綾凰華さんが、新人公演で初めて主要な役を演じたのが『こうもり・・・こうもり博士の愉快な復讐劇・・・』のガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン侯爵。その時に、本役の紅ゆずるから演技について大事なアドバイスを得た。

 「本役の演技を真似るだけで演じられると勘違いしてはいけない、自分の力で一から役の気持ちを考え尽くさなければと、教えていただきました。その直前のバウホール公演『鈴蘭(ル・ミュゲ)―思い出の淵から見えるものは―』のマルセルの役づくりで頭を打って悩んでいたので、紅さんの言葉が胸に沁みました」

 星組生として最後の大劇場公演となった『THE SCARLET PIMPERNEL』の新人公演で綾凰華さんが演じたのがマクシミリアン・ロベスピエール。「今回、本役でも弟のオーギュスタン・ロベスピエールを演じさせていただきます。とても他人のようには思えず(笑)、ピーター・マクフィーが等身大のマクシミリアン・ロベスピエールを描いた分厚い伝記本を買いました。『THE SCARLET PIMPERNEL』の新人公演を担当されたのが生田大和先生。私が雪組に組替えして生田先生作・演出の大劇場公演『ひかりふる路~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』に出演させていただけるのは、ものすごいご縁だと思います」

 『ひかりふる路』の主役ロベスピエールは運命的に出会ったマリー=アンヌへの思いとフランス革命への思いを胸に、革命の頂点まで上り詰めて理想の炎に身を焼かれる。男役・綾凰華が新たなスター伝説を生み出すに違いない。

 生まれも育ちも宝塚市内の綾凰華さん。「祖母と母が宝塚歌劇を大好きで、母は私が生まれる前日も観劇していたそうです」

 クラシックバレエは4歳から習っているので踊るのは大好き。そう言ったあとで、実はバレエを心底好きになったのは小学6年の時に「くるみ割り人形」のオーディションを受けてクララ役を射止めてから、と屈託のない話しぶり。聞く人の感度をグングン上げていく。「お客様に心から楽しんでいただける舞台をお届けしたい。劇場の2階の奥までエネルギーを届けられる、パワーのある男役になりたいです」

 フェアリーと見まがう端正な顔立ちに、真価を磨き上げる人の凛々しい光が差している。

綾 凰華さん

2012年『華やかなりし日々』で初舞台、星組に配属。17年8月雪組へ組替え。同年『ひかりふる路』で、新人公演初主演。
出身/兵庫県  愛称・あやな

インタビュアー 名取千里(なとりちさと)
ティーオーエー、現代文化研究会事務局/宝NPOセンター理事主な編著書「タカラヅカ・フェニックス」(あさひ高速印刷)「タカラヅカ・ベルエポックI・II」(神戸新聞総合出版センター)/「仕事も結婚も」 (恒友出版)
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