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-バックナンバー- 2005年8月号


「軍服は男役の憧れでもありますので、すごくうれしいです」

 雪組の音月桂さんは、4月に宝塚バウホール公演『さすらいの果てに』に単独初主演し、イギリス陸軍少尉ジェフリー・ブライトンを演じた。

 伸び盛りの溌剌とした身体に、真紅の軍服が実によく似合っていたが、8月1日まで宝塚大劇場で上演中の『霧のミラノ』で再び、その美しい軍服姿を披露している。『霧のミラノ』は、1850年代後半、オーストリアの占領地となった北イタリアを舞台に、反オーストリア運動に関わる貴族と盟友との友情、令嬢との恋、そしてオーストリア情報部少佐との確執など、さまざまな心模様が濃やかに描かれた耽美的ともいえるミュージカル・ロマンである。雪組にとっては大劇場久々のコスチュームプレイ。

「オーストリア軍中尉クリスチャン・クライスを演じています。上司の貴城さんはとても優しい軍人さんを演じてらっしゃるので、部下の自分は徹底的に軍人らしく振舞って、違いがはっきりでるようにお稽古しました。主役の朝海ひかるさん演じる貴族ロレンツオに敵対する役ですが、自分は悪者というイメージは持っていなくて、役目を忠実にまっとうする人間として演じることを心がけています」

 音月桂さんにとって、この大劇場公演がこれまでと違うのは、新人公演卒業後、初めての本公演になることだ。研4の時、『猛き黄金の国』の岩崎彌太郎役で初めて新人公演に主演して以来、『春麗の淡き光に』の藤原保輔、『Romance de Paris』のヴァンサン、『スサノオ』のスサノオ、『青い鳥を捜して』のジェイクなど、個性の違う新公主役を5作も演じてきた若手実力派の音月桂さんが、男役10年の節目を目指し新たな気持ちでスタートを切った舞台なのである。

「まだまだ自分も勉強中の身ですが、客席から下級生たちの新人公演を観た時に、初めて新人公演を卒業したなと実感するのではないかと思います。でも自分の中では自然にリセットされていて、これまでは自分が新人公演で演じる役の本役さんを目で追っていたのに、いい意味で今回から少しリラックスできて、いろんな役を客観的に見られるようになりました。下級生の稽古にも目を配れるようになり、こういうアドバイスをしてあげたらいいかなと考えている自分がいます」

 

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