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-バックナンバー- 20006年12月号
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女性の悩み相談室
卵巣のう腫
大西レディスクリニック院長
プロフィール
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/~gyn/

卵巣のう腫は数年前に女性歌手が治療の副作用に苦しんだということで話題に登りましたが、意外と多いもので女性の4人に1人が経験するといわれています。卵巣のう腫瘍には良性と悪性があり、卵巣の場合は腫瘍の9割以上が良性腫瘍です。これには、分泌物などがたまってできる袋状のタイプ(のう胞性)と、細胞が増殖した硬いコブのようなタイプがあります。卵巣のう腫は前者のタイプで、袋の中身によって漿液性のう腫、粘液性のう腫、類皮様のう腫、チョコレートのう腫などいくつかに分類されています。

一般に、腫瘍といえば女性の場合でも更年期以降に多くなりますが、卵巣のう腫は若い人にも多いのが特徴です。類皮様のう腫は、10代、20代の若い女性にも多く、チョコレートのう腫は30代、40代に多く見られます。このように幅広い年齢で注意が必要なのですが、ではどんな症状に注意すればいいかと言いますと、卵巣のう腫は大きくならない限り、ほとんど症状がありません。自覚症状から発見されるよりも、検診や別の病気の検査で偶然卵巣のう腫が見つかるケースのほうが多いのです。

治療については、基本的には3cmまでの小さなのう腫であれば、まず定期的な検査で経過を観察します。しかし、4〜5cmになると、卵巣が茎捻転を起こした際、下腹部の激痛からショック状態に陥ったり、チョコレートのう腫の場合は、突然破裂して腹膜炎やショック状態になる危険性が出てくるので治療が必要です。この他にも卵巣が大きくなると卵管が引き伸ばされて働きが悪くなり、不妊症の原因になることもありますので、下腹部痛やウエストが太くなった、お腹にしこりを感じる、など気になる症状がある場合はぜひ早めに受診しましょう。

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