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-バックナンバー- 20006年10月号
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女性の悩み相談室
クラミジア
大西レディスクリニック院長
プロフィール
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/~gyn/

 性器クラミジア感染症は性感染症のひとつで「クラミジアトラコマチス」という病原体に感染している病気です。性感染症の中で最も流行しており、全国で約100万人以上の感染者がいると推定されています。最近、特に若い女性に急増しており、その殆どが無自覚のうちに感染しています。男性より女性のほうが3倍程度、感染率が高く、その約80パーセントについては自覚症状がないのが特徴です。5人に1人の割合で症状はでるものの、おりものの増加や排尿痛などの軽い症状なので放置されることも多いのでしょう。しかし、放置していると尿道炎、子宮頚管炎、卵管炎などを引き起こすことがあり、その結果、不妊症や子宮外妊娠の可能性も高まります。妊娠中の母体が、クラミジア感染症であった場合、生まれてくる新生児が、新生児クラミジアによる結膜炎や肺炎をおこすこともあります。また、あまり知られていませんがHIV(エイズ)の感染率が、5倍に跳ね上がるとも言われています。

 クラミジア検査は、女性の場合、直接子宮頚管からクラミジアそのものを探す抗原検査が一般的です。また、血液から感染経験の有無をみる抗体検査もあります。感染していた場合は、抗生物質を1週間から2週間、服用することで治ります。

 大事なことは、性感染症であるために、必ずパートナーの検査をし、感染している場合は同時に治療してもらうことです。クラミジアは一度治療しても免疫がつくわけではありませんので、パートナーが感染していれば何度でも感染します。他の感染症と同様に早期発見、早期治療が大切ですので、心当たりがあれば症状が軽くても、検査を受けられることをお勧めいたします。

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