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-バックナンバー- 2005年4月号
宝塚歌劇団 01年12月、帝国劇場創立90周年・東宝創立70周年記念公演『SHOCK』に女役で出演した。「宝塚歌劇団という肩書きのおかげで大事にしていただけた反面、下手なことはできないという責任感を心の奥に抱えてのスタート。とにかく自分に与えられたことを全うしようと思い、振付家や演出家の先生方に、こうしたいと話しながらやってきました。共演したジャニーズの皆さんはアドリブに強く、自分の良さもよく知っていて、何を言えばお客様が喜んでくださるかを分かっている。いろんなことを学びました」

『SHOCK』は翌年に再演。新宿コマ劇場公演『Cinderella』にも王子役で外部出演後、宝塚に戻って花組『エリザベート』の皇帝フランツ、雪組『Romance de Paris』のラシッドを経て、宙組『ファントム』と巡り会った。

「キャリエールの愛の深さを演じ切れないと物語は完結しないので、責任感に押しつぶされそうでした。役のもっている重さは演じる者とのギャップが大きいほど重く、ファントムの父親の苦悩に集中して何日も生きていくのは苛酷でしたね。ふだんはそうでもないのに、こと舞台に関しては、もうちょっとラクにやればいいのになと自分で思うくらい真面目。お客様と空間を共有したくて、がんばりすぎてしまうところがあって、それをなくすのが、ひと仕事なんです」

ありのままの樹里咲穂さんの姿に、共感と信頼を寄せる下級生は多い。春でもあり、宝塚音楽学校に合格するコツをお聞きすると、「大丈夫、入れますよ。私は2回目に受けた時、気合いだけはすごかった。絶対に入りたいというオーラを放つことです」
気になる退団後の予定は、「寿退団ではないので、お声がかかれば仕事をするかもしれませんが、まだ何も決まっていません」

大きな花を咲かせ、たくさんの種をまいて旅立つ樹里咲穂さんの、新たな舞台での活躍を期待したい。



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インタビュアー  名取千里(なとり ちさと)  
 (ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局 /宝塚NPOセンター理事  

主な編著書   
「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)   
「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)  
 「仕事も!結婚も!」(恒友出版)