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-バックナンバー- 2004年7月号

岡田 ポスターは大事なスタートですから、よくないと我々は意気消沈してしまいます。『テンプテーション!』では演出家の意図を非常によく醸し出していただきました。あれ以来、和央さんと花總さんをスーパーゴールデンコンビと言っているんですけれども、今回の『ファントム』をごらんいただいて、いかがでしたか。

篠山 さすがに宝塚総本山の殿堂で、お客さまが超満員。熱気が伝わってきてすごかったですね。和央さんと花總さんの代表作になるんじゃないかと思うくらい、感動しました。

岡田 ありがとうございます。身内だからというわけではありませんが、和央さんたちが好演しているので、宝塚の作品としてブロードウェイにもっていけるのではないかと思っています。特に三井住友VISAカードほかのご協賛もいただいて衣装がいいし、メイクもアレンジもいい。作曲はモーリー・イエストンで、彼は僕とトミー・チューンが共同演出した『グランドホテル』も作曲しており、やはり聴いていて心地よく品がいい。しかし、こういうベースがあったとしても、例えば衣装デザインや舞台装置や照明が悪かったら台無しになるわけですね。宝塚歌劇の初公演から90年やってきて、スタッフが成熟してきた今、日本の文化として世界に発信することが、和央さんや僕たちの務めかなと思います。そういう意味でも写真家としての篠山先生の力をこれからもお借りしていきたいと願っています。

篠山 宝塚は日本の発明です。100周年に向けて、たえず新しいことをやっていかれることが大事ですね。満員だからと、同じことを繰り返していては、マンネリどころか、ダメになってしまう。常に宝塚はそうやってこられたと思います。

和央 宝塚の伝統の上に、私らしい何かをプラスすることができないと、私が今いる意味がないんです。自分が立たせていただいている場所を当たり前と思わずに、舞台裏で一体何人の人が私を支えてくださっているかということに感謝しながら、さらに新しいことに挑戦していきたいなと思います。

岡田 そうだね。我々にしかできない独自の舞台を創って世界中の人たちに知っていただくことが、宝塚歌劇100周年への道です。篠山先生、これからもタカラヅカ・レビューを観てください。

※次号のフェアリーインタビューは、月組の彩輝直さんの予定です。

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