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-バックナンバー- 2004年4月号

念願が叶った1993年、初舞台『BROADWAY BOYS』でのこと。「初舞台生の口上の幕が開いて、お客様から大きな拍手をいただいたことが忘れられません」 大劇場3千人の観客が心から送る祝福の拍手だ。その日から、立樹遥さんにとって生まれて初めての経験が休みなく続くことになる。

翌94年、雪組配属。96年、日本初『エリザベート』に出演。98年『ラヴィール』のロケットボーイに抜擢。同年『浅茅が宿』の新人公演で準主役を務め、99年『ノバ・ボサ・ノバ』の新人公演で初主演する。

「この時は初舞台生公演で、いつもより出演者が多く、しかも自分は学年の長で、みんなをまとめる立場。ご存知のように『ノバ・ボサ・ノバ』は歴代の上級生が演じてこられたすばらしいショーで歌も踊りもたくさんあり、覚えるだけで精一杯。同期が、自分のことだけやったらいいよ、と言ってくれたおかげで集中できました。背伸びをするのではなく今の自分の力を出したらいいんだよ、みたいなことが書いてある本を贈ってくれた人もいます。最後の場面で歌っている時、周りで踊っているみんなのパワーをすごく感じて、どんどん気分が高まり、舞台はみんなの力が大事なんだと実感しました」

それから4年後の2003年5月、星組に移籍。初舞台から11年目である。「意外でした。組替えの辞令を聞いた当初は、雪組を去る寂しさばかりを思う毎日でしたが、仲間が増えるんだし、新たな発見もできるだろうし、自分が成長できるチャンスなんですよね。そんな風に前向きに捉えてからは、これからは下級生にアドバイスもできるようにならなければと、何か覚悟のようなものができました」

星組での第1作『王家に捧ぐ歌』は2003年度の芸術祭賞優秀賞を受賞した。

「うれしかったです。集合日に50曲くらいの譜面をいただき、ファイトを燃やした思い出の舞台だから、もう一回やりたいです。今回の舞台もすごいですよ。ショーはキューバから振付家サンティアゴ・アルフォンソ先生をお招きしているんです。ダンスの振りが体中からあふれ出てくる感じで、胸や腰の使い方が独特、リズムの取り方も微妙にちがいます。先生のニュアンスを覚えようと、一人一人が懸命に輝いていますね」

これからは今までの引き出しに、新しい立樹遥を加えていく。そのために目指すのは、「艶っぽい男役」だ。夢への過程で悩むことはあっても、落ち込まないのが立樹遥さんの生き方。

「一度は落ち込まないと成長しないと思いますが、長引かせないように自分を仕向けます」

そんな立ち直りの早さは、スターの絶対条件だ。

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インタビュアー  名取千里(なとり ちさと)   (ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局   /宝塚NPOセンター理事   主な編著書   「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)   「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)   「仕事も!結婚も!」(恒友出版)