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-バックナンバー- 2003年8月号

 新専科から星組のトップに就任して4ヶ月。 全国ツアーを終えて、本拠地の宝塚大劇場でのお披露目公演「王家に捧ぐ歌―オペラ『アイーダ』より―」に出演中の湖月わたるさん。「全国ツアーを観に来てくださった星組OGの上級生に、お帰り、と言っていただいて、ああ帰ってきたんだ、帰るところがあったんだと、すごくうれしくて。 故郷に戻ってきたような居心地のよさを感じています。」初舞台を踏んだ翌年から8年間、星組だった。

 だから、新人公演で主役を演じた思い出の「若き日の唄は忘れじ」「カサノヴァ・夢のかたみ」「国境のない地図」「剣と恋と虹と」 は、すべて星組作品だ。これらの舞台を共に務めた上級生たち、そして新人公演を一緒にがんばったメンバーたちが、 現在の星組にいる。 とはいっても「6年ぶりに戻ったので、 下級生については、1年で10人の初舞台生が組子になるとして60人ほどが、 はじめまして、なんです」そんな新生星組を率いる稽古集合日に、全員と初顔合わせをした新トップ湖月わたるさんは、「すっかり星組っ子なので、よろしく」と挨拶した。どこよりもなつかしい場所だ。

 「6月の 『TCAスペシャル2003』 の時に久しぶりに大部屋というみんなと一緒の楽屋でお化粧したんですよ。 専科時代はずっと個室でしたから、大部屋がなつかしくて、うれしくて。一つの劇団の中でのことなので、専科から星組のトップになったからといって、 通う場所も同じだし、自分の中もこれといって変わったわけではないのですが、お披露目ですねとか、おめでとうございますとか言っていただくと、ああそうなのか、と新たな気持ちになります。 思い返すと専科に移った時、 宝塚歌劇団生徒としての最終目的をトップスターと決めることもないなと考えて、一人でやっていかなければと、ふつふつ心に湧いてくるものがありましたが、今また、星組で主役という立場で舞台に立たせていただくことになり、役の人物として生き続ける時間がもっと増えるので、どんなにいろんなことが役の中から生まれてくるのだろうと、楽しみにしています」

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